酒蔵探訪

山廃仕込みを守る
女性杜氏の蔵

宮城県
川敬商店

金が流れる沢のそばで
醸したから「黄金澤」

万葉集に歌われた“日本最古の産金地”といわれる宮城県の涌谷町。明治35年(1902)、川敬商店はこの地に創業にしました。金が流れる沢の傍らで日本酒を醸し始めたことから、その酒は「黄金澤」と命名されました。その後、自作田を求め、豊かな田園地帯が広がる現在の美里町に移転しました。

もともとは冬季に岩手からの職人たちが泊まり込みで酒造りをする南部杜氏制度の蔵でしたが、2000年ごろよりこれを廃止。蔵元自らが杜氏として納得する酒造りを探求するようになりました。そのころから蔵人も地元在住の通年雇用の社員となり、一緒に川名商店の酒を醸しています。

2012年、長女の川名由倫(ゆり)さんが入社。当時の蔵元杜氏だった父のもとで修業し、2018年に体調を崩した父に代わって、女性杜氏となりました。現在は、由倫さんが蔵元杜氏として川敬商店を率いています。創業時より受け継がれる「山廃仕込み」の技術と思想を大切に守り続けています。