酒蔵探訪

凍てつく冬に、
高野山の麓で寒仕込み

和歌山県
高垣酒造

名杜氏の夫を継ぎ、
妻が蔵元杜氏に就任

有田みかんや山椒の産地として知られる和歌山県有田川町。温暖な気候というイメージですが、密教の聖地といわれる高野山の標高は約900m。冬は凍てつくような寒さに包まれ、その冷気が谷間や川を伝わり、街道沿いの里にも降りてきます。

高垣酒造がこの地に創業したのは、創業天保11年。有田川源流のひとつ、早月峡谷にはまろやかでこくのある岩清水が湧いています。空海(弘法大使)ゆかりの地であることから「空海水」と呼ばれるこの霊水を使い、造り酒屋を始めたのが2代目髙垣又右衛門でした。以来、山あいで独自の発酵法を編み出し、素朴な手造りの味を守り続けています。

2010年、8代目蔵元杜氏として蔵を率いていた髙垣淳一さんが逝去。発酵をテーマとした人気漫画にも取り上げられたほどの美酒を造った名杜氏でした。同年より夫の仕事を継ぎ、9代目蔵元杜氏に就任したのが妻の髙垣任世(ひでよ)さんです。2014年・2015年 全国新酒鑑評会において金賞受賞。2015年SAKE COMPETITION 純米吟醸部門 第2位受賞と、近年も高い評価を受けています。