- ■古くて新しい酒造技術を 次世代へとつなぐ土田酒造
土田酒造株式会社は、群馬県川場村という人口3,400人の小さな村にある酒蔵です。
創業は1907年、当主は現在6代目。戦前に行われていた日本酒の品評会(現在の新酒鑑評会にあたる)に連続で入賞した蔵だけに与えられる名誉賞を関東で唯一受賞した、長く多くの人に愛される酒を造り続ける酒蔵です。
土田酒造の日本酒はすべて、 米、水、麹という3つの材料と菌のみで造ります。
蔵にすみついている乳酸菌や、色々な微生物の活動を待ち、促し、活かす生もと造りを行っています。
菌の力を引き出す技術を研鑽し、日々発見と学習を繰り返しながらの酒づくりは、その時々の味の違いや複雑さが楽しめる一方で、菌という生き物相手故に常に失敗と隣合せの難しさがあります。
それでも近年は、山廃仕込みから全量生もと造りへとシフトし、新しい土田酒蔵の酒づくりにチャレンジを重ねています。
この土田酒造のチャレンジは当代の蔵元 土田祐士さんと杜氏の星野元希さんの出逢いからスタートしました。
2012年に、もともと蔵元杜氏を務めていた土田さんの後を継ぎ杜氏となった星野さん。
2人は2013年から山廃へのアプローチをはじめ、その2年後から酵母無添加の酒づくりへの挑戦を始めました。
失敗を重ねながらも”土田酒造ならではの酒”を目指す中、その熱意が買われ、秋田で優れた日本酒を作り続ける新政酒造から、酒造りのノウハウと哲学の伝授を受けることができたといいます。その成果が今の土田酒蔵の酒造りにも生かされています。
個性豊かで多様さ複雑さのある味を醸し出す、現代的な機械設備で江戸時代の製法を貫く酒造りです。
菌と人の協演で、新しい味を醸し出す。日本酒づくりの歴史・過去を感じるうまさを全ての人に、この古くて新しい酒造技術を次世代へ繋げていこうと土田酒造の酒造りは続けられます。
■強い旨みと 熟成の変化を楽しめる『シン・ツチダ』
『シン・ツチダ』は日本酒の味の指標を示す「アミノ酸度」が非常に高い、かなり特徴的な日本酒です。
アミノ酸度は数値が高ければコクと深みのある味わいに、低い数値ほどすっきり端麗な味わいに感じると言われています。平均的な数値は1.3程度。『シン・ツチダ』は4~5という、一般的なお酒から見ると驚くような高い数値だと言います。
土田酒造のお酒は、自然の乳酸菌の働きを活用する、生もと造りで醸されます。
蔵に住み付く酵母や乳酸菌を取り入れることで、野性味ある複雑な深みのある味わいと土田酒造ならではの個性が造り出されています。
それに加え『シン・ツチダ』は、食用米をほぼ精米せず(精米歩合90%)原料に使用し、また日本酒の原料となる麹の割合を通常より15%程度増やすことで、より独特な特長を引き出しています。
こうして造られた『シン・ツチダ』は芯がしっかりしていて、環境の変化に強い酒です。近年の日本酒は開栓後は冷蔵保管する商品が多いですが、『シン・ツチダ』は常温保管を推奨しています。そうすることで熟成が進み、丸みを帯びてさらに美味しくなっていきます。開栓して空気と触れさせることでの変化もお楽しみいただけます。
米の旨みと複雑な味わいを感じながらも、キレの良い『シン・ツチダ』。土田酒造の真骨頂とも言えるお酒です。
- 商品コード
- SC062209
- 原材料
- 米(群馬県産)、米麹(群馬県産米)
- 保存方法
- 常温
日本酒(純米酒)
アルコール度数:16度
精米歩合:90%