うなぎは滋養強壮に良い食材とされる一方で、「梅干しやきゅうりと一緒に食べると体に悪い」といった噂を耳にして、食べ合わせに関して不安に感じる方も多いでしょう。
特定の食べ物に対して、食べ合わせを懸念されることの多いうなぎですが、実は食べ合わせがNGな食べ物はありません。
この記事では「うなぎと食べ合わせが悪い食べ物がある」といわれる理由を詳しく解説します。迷信に振り回されず、美味しく健康的にうなぎを楽しむための知識が身につく内容です。
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うなぎとの食べ合わせがNGな食べ物はない

うなぎと一緒に食べてはいけない食材は存在しません。なぜなら体調を崩すといわれる食べ合わせの説には科学的な裏付けがなく、医学的に注意が必要とされる組み合わせも確認されていないからです。
うなぎと食べ合わせが悪い食べ物があるという誤解が広まった背景には、江戸時代の保存環境や調理事情が影響していると考えられます。たとえば、昔は脂の多い食べ物と酸味がある食材を同時に食べると、胃へ負担がかかると考えられていました。そのため、うなぎと梅干しは胃に負担がかかってしまう食べ合わせとして語られるようになったといわれています。
現代は栄養学的に問題がないことが明らかになっているため、食べ合わせが健康に影響するケースはありません。むしろ食べ物によっては、うなぎの栄養吸収を高める働きが期待されることもあります。
うなぎとの食べ合わせを考える際は、好みや栄養バランスを踏まえながら組み合わせを工夫しましょう。
うなぎとの食べ合わせが悪いと勘違いされている食べ物

うなぎとの食べ合わせが悪いと勘違いされている食べ物といえば、以下が挙げられます。
- 梅干し
- スイカ
- アイス
上記についてうなぎとの食べ合わせが悪いといわれた理由や、食べ合わせることによる体への影響について解説します。
梅干し
うなぎと梅干しは食べ合わせが悪いといわれることが多い食べ物ですが、科学的な根拠がありません。むしろ、梅干しに含まれるクエン酸は消化を助ける働きがあることから、脂質の多いうなぎと相性が良い食材です。
「うなぎと梅干しの食べ合わせが良くない」という迷信が広まった背景には、江戸時代の保存環境や当時の食文化が関係しています。冷蔵技術がなかった当時、うなぎが腐敗して酸っぱい匂いを放っていても梅干しの酸味に紛れて気づきにくくなるため、体調を崩すリスクがあると考えられていました。
衛生管理が行き届いた現代では、うなぎを腐敗させてしまうリスクはほとんどありません。そのため、うなぎと梅干しを一緒に食べても、腐敗したうなぎでおなかを壊す心配もないでしょう。むしろ梅干しに含まれるクエン酸は脂っぽさをほどよくやわらげ、消化を助ける働きがあるため、両者は相性の良い組み合わせといえます。
スイカ
「うなぎとスイカを一緒に食べると体に良くない」といわれることもありますが、栄養素的には両者を一緒に食べても問題ありません。ただし、冷え性の人や胃腸が弱い人は注意が必要な組み合わせです。
スイカは水分量が非常に多く、大量に食べると胃の働きが鈍り、うなぎの脂質を消化しづらくなることがあるためです。健康な人が適量を食べる分には問題ありませんが、食後すぐの摂取や食べ過ぎは避けた方が良いでしょう。
アイス
「うなぎとアイスの食べ合わせも悪い」といわれることがありますが、栄養学的には両者を一緒に食べても問題ありません。 ただし食後すぐに大量のアイスを食べると胃の働きが弱まり、胃もたれを感じる場合があります(※)。デザートとして取り入れるときは、30分〜1時間ほど時間をあけて負担を抑えるようにしましょう。
適度な量とタイミングを守れば、うなぎとアイスも安心して楽しめる組み合わせです。
(※)参考:eisai セルフケア製品情報「夏バテが引き起こす「胃腸バテ」とは?」
うなぎと相性が良いといわれる食べ合わせ

うなぎと相性が良いといわれる食べ合わせは、以下の通りです。
- キュウリ
- トマト
- ほうれん草
- ネギ
- カボチャ
- 納豆
- 青魚
上記の食材とうなぎの相性が良いといわれる理由や、食べ合わせることによる体への影響について解説します。
キュウリ
うなぎときゅうりは、栄養面でも味の面でも相性の良い組み合わせです。
脂の多いうなぎに、さっぱりとしたきゅうりを添えることで口当たりが軽くなり、食べやすさが増します。酢の物や浅漬けのように酸味を加える調理法にすれば、うなぎの脂をさらに中和でき、味のバランスも整うでしょう。
また、きゅうりは体をほどよく冷ます作用がある他、適量の食物繊維が消化をサポートしてくれる食材です。夏バテによる疲労の回復や食欲を増進させたいときにも、きゅうりとうなぎは良い組み合わせだと言えるでしょう。
トマト
うなぎとトマトは栄養面でも味の面でも相性が良く、理想的な食べ合わせです。
うなぎに多く含まれる脂質やビタミンAに、トマトのリコピンやビタミンCが加わることで抗酸化作用が高まり、疲労回復に役立つとされています(※)。とくにリコピンは脂溶性の成分であるため、うなぎの脂と一緒に摂ることで吸収率が高まります。
こってりとしたうなぎと、さっぱりしたトマトは味の相性も抜群です。たとえば、冷製パスタやサラダに加えると、トマトの爽やかさがうなぎのこってり感をやわらげます。トマトソースを添えるアレンジにすれば、深みのある風味が加わり、栄養バランスも整うでしょう。
健康効果と食べやすさの両方を取り入れたい方にとって、うなぎとトマトは非常に優れた組み合わせです。
(※)参考:カゴメ「大阪市立大学、三重県鈴鹿医療科学大学、国際医療福祉大学の共同研究」
ほうれん草
うなぎとほうれん草は栄養バランスに優れた組み合わせです
うなぎに多く含まれるビタミンAや脂質は、ほうれん草の鉄分吸収を助ける働きがあり、貧血予防にも役立つとされています(※1)。一方、ほうれん草のビタミンCはうなぎのビタミンEと相互に働き、抗酸化作用を高めてくれる栄養素です(※2)。
また、ほうれん草はソテーや炒め物など、油を使う調理にもよく合う食材です。そのため、うなぎに多く含まれる脂溶性ビタミンとの相性が良く、組み合わせることで栄養を効率よく摂取できます。
さらに、淡白で控えめな風味が特徴のほうれん草は、うなぎの濃厚な味わいを引き立ててくれるため、味覚の面でも相性の良い食材です。
(※1)参考:オーソモレキュラー栄養医学研究所「ビタミンA」
(※2)公益財団法人長寿科学振興財団「ビタミンEの働きと1日の摂取量」
ネギ
うなぎとねぎは、風味と栄養面の両方で相性の良い組み合わせです。
ねぎ特有の爽やかな辛味がうなぎの脂っこさをほどよくやわらげ、口当たりが軽くなるため、食べやすさが高まります。さらに、ねぎの香り成分がうなぎの風味を引き立て、食欲を刺激してくれるため、食が進みやすくなります。
また、ねぎに含まれるアリシンは、うなぎのビタミンB1の吸収を助け、スタミナ維持や疲労回復をサポートする働きがある成分です。うなぎとねぎの食べ合わせは夏場の食欲低下を補ってくれるため、夏バテ対策として取り入れるのもおすすめです。
刻みねぎは薬味として添えるだけでなく、白焼きや蒲焼きなど幅広いレシピに取り入れやすいため、うなぎ料理との相性の良さを実感しやすい食材といえます。
(※)参考:一般財団法人茨城県メディカルセンター「ニンニクに含まれる栄養素:アリシン」
カボチャ
うなぎとかぼちゃはどちらも栄養価が高いため、健康面で優秀な食べ合わせです。
うなぎとかぼちゃの両方に豊富に含まれるビタミンAやEは抗酸化作用が強く、免疫力向上や疲労回復、美肌維持など多くの効果が期待できる栄養素です(※)。また、かぼちゃに多く含まれるβカロテンは体内でビタミンAに変換されて、粘膜や肌の健康を守ります。
さらに、うなぎの脂質は脂溶性ビタミンの吸収を助けるため、かぼちゃの栄養を効率よく取り入れられます。煮物やグラタンなど油を使った温かい料理にすると、うなぎの濃厚な旨味とかぼちゃの甘みが引き立ち、満足度の高い一品となるでしょう。
栄養補給と食べ応えの両方を重視したい方におすすめの組み合わせです。
※参考:味の素株式会社「かぼちゃに含まれる栄養・ビタミンA、C、E」
納豆
うなぎと納豆は栄養面で相性の良い食べ合わせです。
どちらも高たんぱくで栄養価が高いため、スタミナ維持や疲労回復を意識したい方に適した食品です。うなぎに含まれるビタミンA・Eと、納豆のナットウキナーゼやビタミンKが相互に働くことで、抗酸化作用が高まり、健康維持にも役立ちます(※)。
また、組み合わせた際の味の相性も良く、刻んだうなぎを納豆に混ぜたり、うな丼の上に納豆をのせたりなどのアレンジも楽しめます。たんぱく質をしっかり補給したいときや、栄養バランスを整えたい場合に取り入れやすい組み合わせです。
(※)参考:全国納豆協同組合連合会「納豆の健康効果」
青魚
うなぎと青魚はどちらも良質な脂質を含む食材です。一度に大量に食べるとカロリー過多になりやすいものの、栄養価が高いため、健康維持を目的に取り入れる方もいるでしょう。
両方に豊富に含まれるビタミンB群やカルシウム、DHA・EPAは血流改善や生活習慣病予防の効果が期待できるといわれています(※)。
主菜とうなぎ、副菜として青魚を取り入れるなど、量や役割をわけて食卓に組み込むのが最適です。
また、うなぎと青魚は味の方向性が近く、組み合わせることで食卓にまとまりが生まれます。たとえば、うなぎの蒲焼きに青魚の南蛮漬けや酢じめを添えると、甘辛いタレの濃厚さと、青魚の酸味やさっぱり感がほどよく調和し、飽きずに楽しめるでしょう。
双方とも栄養価が高いため、健康面を意識したいときにも取り入れやすい食べ合わせです。
(※)参考:山田養蜂場健康科学研究所「DHA+EPA」
うなぎとの食べ合わせで注意したいこと

うなぎとの食べ合わせをする際は、以下の点について注意しましょう。
- デザートを食べる際は時間をおく
- できれば温かい飲み物を選ぶ
デザートを食べる際は時間をおく
うなぎを食べた後のデザートは、食後すぐではなく、30分〜1時間ほど時間をあけて食べるのが望ましいです。
うなぎは脂質が多く、消化に時間がかかる食材のため、消化が始まる前にデザートを食べると胃に大きな負担がかかってしまいます。とくにスイカやアイスなどの冷たいデザートは、胃の働きを一時的に弱め、胃もたれや消化不良を引き起こす可能性があります。
うなぎとデザートのどちらも楽しみたい場合は、時間をおいて胃酸の分泌や消化のリズムを整えることが大切です。
できれば温かい飲み物を選ぶ
うなぎを食べた後は、胃への負担を抑えるために可能であれば温かい飲み物を選びましょう。
脂質が多いうなぎは消化に時間がかかりやすく、冷たい飲み物を摂ると胃の働きが鈍り、消化不良につながりやすくなるからです。反対に、体を温める飲み物は胃腸の働きを整え、食後の重さやもたれを防ぐ効果も期待できます。
たとえば温かい緑茶やほうじ茶、白湯などは胃をやさしく温め、脂の多い料理の消化を自然に助けます。汁物を添える場合も、温かい味噌汁や吸い物を選ぶことで、消化の流れをスムーズにしてくれるでしょう。
うなぎの食べ合わせは栄養バランスを意識することが大切

うなぎとの食べ合わせの悪影響については、科学的な裏付けがありません。より健康的に食事を楽しむためには、迷信にとらわれず栄養バランスを意識して食材を組み合わせることが大切です。
たとえばきゅうり・トマト・ほうれん草・ねぎなどの野菜をうなぎに添えると、ビタミンや食物繊維が補われ、さっぱりとした口当たりで無理なく楽しめます。うなぎは脂質やビタミンが豊富な食べ物であり、工夫次第で日々の食卓に取り入れやすい栄養価の高い食材の一つだといえるでしょう。
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