うなぎとあなごは、一見似た見た目をしていることから、「食感や味はどう違うの?」「あなごはうなぎの代わりになるの?」と疑問に思う方も多いでしょう。
結論として、うなぎとあなごは見た目や生態、栄養価、値段、調理法に至るまで、さまざまな違いがあります。
この記事では、うなぎとあなごの違いを比較しながら詳しく紹介します。うなぎとあなごの違いを知ることで、好みに合った食べ方を選べるようになるでしょう。
蒲焼きやひつまぶしなどの本格的なうなぎ料理を楽しみたい方には、虎ノ門市場の国産うなぎがおすすめです。手軽にオンラインで注文できるため、家庭でも贅沢なうなぎ料理を気軽に楽しめます。
うなぎとあなごの違い

うなぎとあなごは、以下の点で違いがあります。
- 見た目
- 生態
- 味、食感
- 栄養価
- 値段
それぞれ詳しく見ていきましょう。
見た目
うなぎと穴子の体型は、どちらも細長い円筒形です。しかし、目の大きさやあごの形、体色など、見た目には明確な違いがあります。
▼うなぎの見た目

▼あなごの見た目

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違い |
うなぎ |
あなご |
|---|---|---|
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口の形状 |
下あごが出ている |
上あごが出ている |
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目の大きさ |
小さい |
大きい |
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体の色・模様 |
背側が黒っぽい灰色、腹側は黄色みがかった白色。模様はない。 |
薄茶色で、頭部と体の側面に白い小さな斑点が並んでいる。 |
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尾びれの形状 |
丸みを帯びている |
尖っている |
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うろこ |
ある |
ない |
参考:環境省「アナゴ」
うなぎは小さな目に大きな口が特徴で、背中は黒〜灰色で腹は白っぽく、体型はややずんぐりとしています。一方、あなごは目が大きく口が小さめ、全体的に淡い茶色で、体型はすらりと細長いのが特徴です。
うなぎとあなごのいずれも腹びれはなく、背びれ、尻びれ、尾びれが連続してつながっています。体表には強いぬめりがあるため、調理前に熱湯をかけたり塩でこすったりする必要があります。
生態
うなぎとあなごの生息地と生態の違いは以下のとおりです。
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うなぎ |
あなご |
|
|---|---|---|
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科目 |
ウナギ目ウナギ科 |
ウナギ目アナゴ類アナゴ科 |
|
分類 |
淡水魚 |
海水魚 |
|
主な種類 |
ニホンウナギ、ヨーロッパウナギ、アメリカウナギ |
マアナゴ、エゾアナゴ |
|
生息地 |
川・湖・河口・沿岸海域 |
沿岸の砂地や岩場、干潟・浅海 |
うなぎは川や湖、河口など淡水域で成長した後、成熟すると産卵のために海へ移動します。一方、あなごは沿岸の砂地や岩場、干潟、浅海などの海域で生涯を過ごし、産卵も海で行います。
日本で主に食べられているうなぎとあなごの種類は以下のとおりです。
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うなぎの種類 |
あなごの種類 |
|---|---|
|
|
味・食感
うなぎは脂が多く、濃厚なコクと弾力のある食感が特徴です。一方、あなごは脂が少なく淡白な味わいで、ふんわりやわらかく、幅広い料理に合わせやすい食感が特徴です。
うなぎは産地や養殖方法によって味わいに差があります。とくに国産うなぎは皮が薄く、弾力のある身と濃厚なコクが特徴です。そのため、土用の丑の日や特別な日の食事、贈答用にも適しています。
あなごは脂質が少なめで、天ぷらにしても重くならず、軽やかな食感を楽しめます。こうした味や食感の明確な違いから、あなごをうなぎの代わりに使うのは難しいといえるでしょう。
栄養価
次の表は、生のうなぎとあなご100gあたりの栄養価の違いを比較したものです。
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うなぎ |
あなご |
|
|---|---|---|
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カロリー |
228kcal |
146kcal |
|
たんぱく質 |
17.1g |
17.3g |
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脂質 |
19.3g |
9.3g |
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カルシウム |
130mg |
75mg |
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ビタミンA |
2,400μg |
500 μg |
|
DHA |
6.9g |
7.3g |
参考:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
うなぎは脂質が多くカロリーも高めですが、栄養価が非常に高い食材です。とくにビタミンAが豊富で、目の健康や皮膚、粘膜の維持、免疫力向上に役立ちます(※1)。
一方、あなごは脂質が少なくカロリーも控えめです。うなぎよりも豊富に含まれるDHAは必須脂肪酸の一つで、脳や神経系の機能維持をサポートする働きが期待できます(※2)。
いずれも筋肉の維持に必要なたんぱく質が豊富で、体の成長や疲労回復、運動後の筋肉の修復に役立ちます。
(※1)参考:公益財団法人長寿科学振興財団「ビタミンAの働きと1日の摂取量」
(※2)参考:オーソモレキュラー栄養医学研究所「EPA・DHA」
値段
うなぎは希少性と養殖コストの高さから、あなごに比べて値段が高めです。
日本で消費されているうなぎは、天然のシラスウナギを養殖で飼育したものが大半です。シラスウナギの稚魚は漁獲量が少なく、供給が限られていることが、うなぎ全般の価格を押し上げる要因となっています。
一方、あなごは生涯を海で過ごす海水魚で、天然漁獲が中心です。主な漁場は対馬近海や瀬戸内海、東京湾などで、養殖の手間が少ないため、うなぎに比べて値段が抑えられやすいです。
うなぎとあなごで違う!おすすめの食べ方

うなぎとあなごは味わいや食感が大きく異なるため、それぞれの特徴を活かした食べ方を楽しむのがおすすめです。
うなぎのおすすめの食べ方
うなぎは蒲焼きや白焼き、うな重、ひつまぶしで食べるのがおすすめです。脂が多く濃厚なうなぎは、ご飯やタレと合わせることで旨味が引き立ち、口の中で豊かな味わいが広がります。
香ばしく焼き上げた蒲焼きや白焼きは、うなぎ本来の風味を楽しめる食べ方です。香ばしいうなぎの風味と甘辛いタレがご飯に染みわたったうな重は、大人にも子どもにも好まれるでしょう。調理や盛りつけが比較的簡単なため、家庭でも手軽に贅沢感を楽しめます。
ひつまぶしはそのまま食べるほか、薬味を加えたり、お茶やだしをかけてお茶漬け風にしたりして味の変化を楽しめます。
あなごのおすすめの食べ方
あなごは、煮穴子やあなご丼、握り寿司で食べるのがおすすめです。うなぎに比べてあなごは脂が少なくあっさりとしているため、やわらかく煮たり酢飯と合わせたりと、さまざまな調理方法に合わせられます。
煮ると身がふんわりとやわらかくなるほか、甘辛いタレや出汁の味が染み込みやすくなるため、食感と風味のバランスが絶妙になります。煮穴子を丼にのせたあなご丼は、家庭でも手軽に作れる料理です。
また、江戸前寿司ではツメ(甘ダレ)を塗った握り寿司が定番です。
うなぎとあなごに関するよくある質問

うなぎとあなごに関するよくある質問に回答します。
はも・どじょうはうなぎの仲間?
うなぎ、はも、どじょうは生物学的にはそれぞれ別の種類です。
はもはウナギ目ハモ科に属する海水魚で、細長い体と鋭い歯を持ち、淡白で上品な味わいが特徴です。どじょうはコイ目ドジョウ科に属する淡水魚で、泥底に生息しています。
うなぎとあなごは英語でなんと呼ぶ?
うなぎとあなごは、英語ではどちらも「eel(イール)」と呼ばれます。ただし、種類や料理名によって呼び方は変化します。
日本のうなぎは「Japanese eel(ジャパニーズ・イール)」と呼ばれるのが一般的です。うなぎの蒲焼きは「grilled eel(グリルド・イール)」や「glaze-grilled eel(グレイズ・グリルド・イール)」として紹介されます。
一方、あなごは「conger eel(コンガー・イール)」と呼ばれ、寿司として提供される場合は「conger eel sushi(コンガー・イール・スシ)」と表記されます。
寿司に使われるのはうなぎとあなごのどっち?
寿司に使われるのは主にあなごです。
あなごは脂が少なく、やわらかく煮ることでふんわりとした食感になり、酢飯との相性が非常に良いため、寿司ネタに適しています。一方、うなぎは脂が多くコクが強いため、蒲焼きや白焼きにしてご飯やタレと合わせて食べるのが一般的です。
寿司に使われるあなごは、甘辛く煮た煮穴子が主流で、やわらかくほろっとほどける食感が楽しめます。
うなぎとあなごに骨はあるの?
うなぎもあなごも骨があります。とくにうなぎは骨が硬く、本数も多めです。
水産大学校の研究データによると、うなぎの脊椎骨は約115箇所、腹椎は48箇所、尾椎は67箇所あり、骨の数が多くしっかりしています(※)。そのため、蒲焼きを調理する際には蒸す工程や骨切りを加え、食べやすくしています。
一方、あなごは骨が細くやわらかいため、煮穴子や天ぷらにしても骨ごと食べられます。
(※)水産大学校「ウナギ」
うなぎとあなごの違いを知ってそれぞれの味を楽しもう

うなぎとあなごは見た目や味わい、値段、調理法など、さまざまな点で違いがあります。
主にうなぎは脂が多く弾力があり、あなごはあっさりとしたやわらかさが特徴です。料理の種類や予算に合わせて使い分けることで、それぞれの美味しさを楽しめます。
美味しいうなぎをお探しの方は、虎ノ門市場をチェックしてみてください。
虎ノ門市場では、国産うなぎの蒲焼きやひつまぶしにぴったりな刻みうなぎをはじめ、老舗名店の冷凍うなぎや訳あり品なども幅広く取り扱っています。自宅で手軽に本格的なうなぎ料理を楽しみたい方は、虎ノ門市場のうなぎをぜひ一度お試しください。



