うなぎの名産地といえば「静岡県浜松市」が有名です。実際に静岡県では、うなぎ料理やうなぎをモチーフにしたお菓子などが、特産品として数多く知られています。
では、浜松市以外にはどのようなうなぎの名産地があるのでしょうか。
この記事ではうなぎのさまざまな名産地について詳しく解説します。また、後半では産地にもこだわった虎ノ門市場厳選のうなぎを5つ厳選してご紹介します。ぜひ、美味しいうなぎ選びの参考にしてください。
2024年は2024年は7月24日(水)と8月5日(月)が夏の土用の丑の日です。虎ノ門市場ではうなぎ特集を実施しているので、こちらもご覧ください。
日本のうなぎの名産地といえば何県?漁獲量ランキング
うなぎの名産地は生産量順に以下の3県です。
- 1位:鹿児島県
- 2位:愛知県
- 3位:宮崎県
令和3年時点では、この3県で全国生産量の8割以上を占めている結果になっています。うなぎといえば静岡県のイメージが定着していますが、意外にも上位3県には入っていません。以下では上位3県の特徴を解説します。
【第1位】鹿児島県
鹿児島県は全国のうなぎ生産量の約半分を占めています。中でも大隅半島では、うなぎ養殖に用いられる天然シラスウナギが豊富に獲れることで有名です。
鹿児島県がうなぎの名産地になっている理由は温暖な気候にあります。霧島を筆頭に名水が豊富で、ミネラルを多く含む弱酸性の地下水が湧いているなど、自然に恵まれていることが質の高いうなぎの生産につながっています。
参照:日本養鰻漁業協同組合連合会「都道府県別 養殖ウナギ収穫量(単位:トン)」
【第2位】愛知県
愛知県のうなぎの生産量は鹿児島県に次ぐ第2位です。中でも養殖が盛んなのは西尾市と豊橋市、高浜市です。「一色うなぎ」「豊橋うなぎ」は抜群の知名度を誇ります。
「新仔」(しんこ)と呼ばれる愛知独自の養殖方法も存在します。養殖池に入れてわずか半年ほどで出荷されるのが特徴です。若いうちに出荷されるため、脂や身の質が高く、皮までやわらかいと定評があります。
参照:日本養鰻漁業協同組合連合会「都道府県別 養殖ウナギ収穫量(単位:トン)」
【第3位】宮崎県
宮崎県のうなぎの生産量は全国第3位です。オリジナルの餌を使ってうなぎを育てています。佐土原「和匠うなぎ」は全国でも有名なブランドの一つです。
宮崎県では養殖施設に力を入れており、規模が大きいことはもちろん、水温や水質管理にコンピューターを使用しています。さらにうなぎを専門分野とする職人が協力することで美味しいうなぎを生産しています。
参照:日本養鰻漁業協同組合連合会「都道府県別 養殖ウナギ収穫量(単位:トン)」
静岡県も名産地の1つ|うなぎ発祥の地で有名
うなぎの名産地といえば静岡県浜松市が有名です。多くの人が知っているように浜名湖でうなぎを養殖しています。生産量ではベスト3から外れているものの、ブランドイメージは依然として高く、根強い人気を誇ります。
静岡県のうなぎの生産量
静岡県のうなぎの生産量は年間1,557トン(令和3年)です。
参照:日本養鰻漁業協同組合連合会「都道府県別 養殖ウナギ収穫量(単位:トン)」
現在も浜松市でもうなぎを生産していますが、その量は年々減少傾向にあります。生産量では3位の宮崎県に次ぐ第4位で、1位の鹿児島県と比べるとわずか1/4以下です。
浜名湖に生息しているシラスウナギの不漁時期があったことの他、海外からうなぎが輸入されていることも生産量低下の原因といわれています。
静岡県は養殖うなぎの発祥の地
養殖うなぎをはじめたのは静岡県です。うなぎといえば静岡県のイメージが強いのは、静岡県がうなぎの養殖発祥の地であることが理由と言えるでしょう。うなぎの養殖をはじめたのも明治時代と、意外にもうなぎ養殖の歴史は浅いのです。
静岡県はうなぎの養殖に適した環境
静岡県はうなぎの養殖に適した環境です。温暖な気候と地下から汲み上げた良質の天然水が質の高いうなぎの生産につながっています。
浜名湖には長年多くのシラスウナギが生息していました。このことから日本のうなぎの歴史を築いてきたといわれています。
浜名湖は海水と淡水の中間の塩分をもつ汽水湖です。
浜松は東海道の中間に位置し、全国各地へも流通しやすく、このことから全国的に有名なうなぎの産地になった説もあります。
養殖うなぎと天然うなぎの名産地の違い
養殖うなぎと天然うなぎの名産地は以下の通りです。
天然うなぎ | 養殖うなぎ |
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国産うなぎのほとんどが養殖です。魚屋・スーパー・百貨店などで目にする多くが養殖で、天然を目にする機会はほとんどありません。
天然うなぎの名産地
天然うなぎの名産地は以下の通りです。
- 青森県(小川原湖)
- 茨城県・千葉県(利根川)
- 静岡県(狩野川)
- 長野県・愛知県・岐阜県・三重県(木曽川)
- 高知県(四万十川、仁淀川)
- 高知県・徳島県(吉野川)
- 宮崎県(一ツ瀬川)
養殖場以外の日本中の河川や湖に生息しているのが天然うなぎです。しかし、天然うなぎの流通量は1%未満と少ないのが現状です。
天然うなぎは5~11月頃に旬を迎えます。旬と聞くと美味しいイメージですが、天然うなぎには独特の癖があり、養殖うなぎの方が美味しいといわれています。
養殖うなぎの名産地
養殖うなぎの名産地は以下の通りです。
- 鹿児島県
- 愛知県
- 宮崎県
- 静岡県
養殖場の環境や餌の質を管理できることが養殖のメリットです。天然ものとは違い、旬の時期が無いため年中購入できます。
天然うなぎと養殖うなぎの旬の時期については、以下の記事で詳しくご紹介しています。
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うなぎの旬はいつ?天然と養殖の違いや土用の丑の日に食べる理由を解説!
うなぎの名産地別おすすめブランドは?
うなぎの名産地別おすすめブランドは以下の通りです。
- 【静岡県】共水うなぎ
- 【鹿児島県】霧島湧水鰻
- 【愛知県】一色産うなぎ
- 【愛知県】豊橋うなぎ
- 【宮崎県】佐土原和匠うなぎ
- 【千葉県】うなぎ坂東太郎
うなぎはほとんどが養殖で、各養殖場ではさまざまな試みを重ねて独自のうなぎを生産しています。ここでは養殖場の努力により、全国で有名になったブランドうなぎを解説します。
【静岡県】共水うなぎ
うなぎ業界を牽引するブランドの一つです。静岡県焼津市の共水グループが養殖しているうなぎで、質の高いシラスウナギを仕入れて養殖を行っています。
餌にこだわっていることはもちろん、水の管理や検査なども欠かしません。薬品に頼らないうなぎづくりをモットーとしています。
臭みがなく、身も皮も両方やわらかいこと、ビタミンやミネラルが豊富に含まれているのが特徴です。
【鹿児島県】霧島湧水鰻
霧島湧水鰻は、日本の鹿児島県霧島市で生産される地域ブランドです。霧島市は、霧島山を中心とした自然豊かな地域であり、湧水や清流が多く存在します。この清らかな水が鰻の養殖に適しており、高品質なうなぎの生産につながっています。
霧島湧水鰻は、とくにその肉質のやわらかさと脂ののりが特徴です。霧島市の地理的条件や飼育方法により、質の高いうなぎが育ち、全国的にも高い評価を得ています。
【愛知県】一色産うなぎ
愛知県西尾市一色町で作られているブランドうなぎです。養殖の歴史は100年と長い伝統技術を誇ります。稚魚から成魚になるまで一貫して飼育を行っているのが特徴です。
矢作川の清流水を用いており、天然に近い飼育方法を実現しています。無農薬を基本とし、厳重な管理を実施することで良質なうなぎに仕上がります。
脂自体も上品で、身・皮と共にやわらかく、全国の専門店からも一目置かれているブランドです。
【愛知県】豊橋うなぎ
2012年に地域ブランドとして特許庁から登録を受けたのが豊橋うなぎです。全国では2件目の登録にあたります。
1件目は2007年に登録の「一色産うなぎ」で、愛知県のブランドうなぎを全国に広めるきっかけとなったと言えるでしょう。
【宮崎県】佐土原和匠うなぎ
宮崎市佐土原町の「髙木養鰻場」「齋藤養鰻場」が協力して育てたブランドうなぎです。うなぎ本来の味はそのままに、天然うなぎに負けない栄養価を誇ります。
改良を長年重ね続け、旨味物質や遊離アミノ酸で天然うなぎを上回る栄養価を実現しました。旨味と身のやわらかさで定評があり、多くのうなぎ専門店で使われています。
【千葉県】うなぎ坂東太郎
共水うなぎと並ぶ二大ブランドの一つがうなぎ坂東太郎です。ブランド名は利根川の別名「坂東太郎」が由来といわれています。「最高級国産ブランド」の代名詞としても有名です。
昔、利根川下流で獲れていた天然うなぎは評価が高く、そのことにちなんで「坂東太郎」と命名されました。
身はふんわりとやわらかく、脂はすっきりとしていてくどさを感じません。うなぎそのものの旨味を感じられるブランドです。
うなぎの名産地発祥のおすすめの食べ方
うなぎの名産地発祥のおすすめの食べ方は以下の通りです。
- うなぎの蒲焼き(静岡県)
- 鰻重(静岡県)
- ひつまぶし(愛知県)
うなぎの蒲焼き|静岡県
うなぎを開いてタレをつけ、焼き上げた定番の食べ方です。タレをつけないものは「白焼き」といわれています。
骨や内臓を取り除き、うなぎの身を味わう料理です。タレはしょうゆ、みりん、砂糖、酒などを用います。うなぎの蒲焼きは農林水産省選定「農山漁村の郷土料理百選」にも選定されています。
現在は静岡県以外でも広く親しまれるようになり、関東では一度蒸してから焼くのが主流です。しかしながら、関西では蒸さず香ばしく仕上げるなどの違いもあります。
鰻重|静岡県
ご飯の上にうなぎの蒲焼きを乗せたもので、重箱で提供される料理です。知名度が高く、蒲焼きとも並ぶ王道の食べ方でもあります。
メニューは「松・竹・梅」「並・上・特上」と分かれていますが、うなぎの質に変わりはなく、量でランクづけされています。頭や尻尾などの部位を味わいたい方は松や特上などの上位がおすすめです。静岡県の老舗店ではほとんどが鰻重を提供しています。
ひつまぶし|愛知県
愛知県名古屋市の名物料理です。うなぎの蒲焼きを刻んだものをご飯に混ぜて食べます。そのまま混ぜて食べるのが主流ですが、ネギやわさびなどの薬味と食べる方法もあります。他にも、薬味&だし汁やお茶を掛けてお茶漬けとして食べるなどバリエーションが豊富です。
うなぎの名産地の味を楽しみたい!虎ノ門市場のおすすめのうなぎ2選
うなぎの名産地の味を楽しむために、虎ノ門市場で商品を探しましょう。虎ノ門市場では全国から選りすぐりのうなぎを豊富に扱っています。
ここでは、産地や品質にこだわったうなぎの中から厳選して2つをご紹介します。
- 登亭 鰻の蒲焼き
- 浜名湖謹製 鰻三昧(蒲焼き・刻み・肝焼き)セット
1.登亭 鰻の蒲焼き
鹿児島県産のうなぎを使用した蒲焼きです。銀座や新宿などで多くの人に愛される名店「登亭」のうなぎの蒲焼きが自宅で楽しめます。
「登亭」が大事にしているのは蒸し焼きの工程です。「口に入れて2~3回噛んだ時点で飲み込めるやわらかさ」を基準に仕上げています。そのため、身はふっくらとやわらかく、とろけるようなうなぎを味わえます。
2.浜名湖謹製 鰻三昧(蒲焼き・刻み・肝焼き)セット
静岡県浜名湖で生産されたこだわりうなぎの「蒲焼き」「刻み」「肝焼き」がセットになった贅沢な商品です。自分用にはもちろん、大切な方へのギフトにも喜んでもらえるでしょう。
うなぎの身はしっかりと引き締まっていながらも、口に入れるとふっくらジューシーな食感を味わえます。口の中でほろりととろける感触も心地よいと好評の人気商品です。
名産地の美味しいうなぎを取り寄せよう
うなぎの名産地は鹿児島県、宮崎県、愛知県、静岡県が挙げられます。令和3年の漁獲量は1位鹿児島県、2位が宮崎県、3位が愛知県の結果です。
静岡県の生産量は減少傾向にあるものの、うなぎの養殖をはじめた地域として根強い人気を誇ります。うなぎはそのほとんどが養殖であるものの、現在は養殖環境の質が高まっており、どこの産地に行っても美味しいうなぎを楽しめるでしょう。
「虎ノ門市場」では、名産地発のさまざまなうなぎ料理を扱っています。品質や素材にこだわった美味しいうなぎを家庭で贅沢に味わってみてください。
2024年は2024年は7月24日(水)と8月5日(月)が夏の土用の丑の日です。虎ノ門市場ではうなぎ特集を実施しているので、こちらもご覧ください。