おせち料理にこんにゃくが入っているのを見て、「なぜこんにゃくを入れるの?」「どのような意味が込められているの?」と疑問に思う方もいるでしょう。
一般的に、おせち料理に入れるこんにゃくは「手綱こんにゃく」です。ねじって結んだ形から、「心を引き締める」「良縁成就」など新年の願いが込められています。
この記事では、おせちにこんにゃくを入れる理由について詳しく解説します。読み進めることで手綱こんにゃくについて理解が深まり、おせち料理としての楽しみ方がわかるでしょう。
こんにゃく以外の食材も揃えたい方は、虎ノ門市場のおせち商品もチェックしてみてください。さまざまな種類のおせちを取り扱っているため、料理を一品ずつ用意する手間を省き、お正月の食卓を楽しめます。
おせちの「手綱こんにゃく」に込められた意味

おせち料理に入れるこんにゃくは、ねじって結んだ形をした「手綱こんにゃく」が定番です。
手綱こんにゃくには、主に次の2つの意味が込められています。
- 心を引き締める
- 良縁成就や縁結びを願う
心を引き締める
手綱こんにゃくには、気持ちを新たにして、新しい年を迎えようとする願いが込められています。
手綱とは、馬を操るために使う綱のことで、こんにゃくをねじった形が馬の手綱に似ていることから「手綱こんにゃく」と呼ばれています。手綱をしっかり締める様子が心や精神を引き締める意味となり、やがて気持ちを新たにする願いにつながりました。
また、かつて馬は武士の移動や戦いに欠かせない存在でした。そのため、手綱こんにゃくには「己を律し、戦いに備える心を養う」の意味が込められているとされる場合もあります。
良縁成就や縁結びを願う
手綱こんにゃくには、人と人との縁を結び、良い縁に恵まれることを願う意味が込められています。
日本では古くから、結びに縁起のよい意味を持たせる文化があり、贈答品や祝い事では水引などが用いられてきました。こんにゃくをねじって結んだ手綱こんにゃくも、縁を結ぶ姿を連想させることから、良縁成就や縁結びを願うおせち料理として親しまれています。
ここでの良縁は、男女の縁だけに限りません。家族や友人、仕事など、さまざまな人とのつながりに恵まれ、良い関係が続くことへの願いも含まれています。
おせちに入れる「手綱こんにゃく」の作り方

手綱こんにゃくの作り方にはさまざまな方法があり、下処理や加熱の手順はレシピによって異なります。
ここでは一般的な作り方の一例として、以下の通りこんにゃくの形を整えてから下処理をし、煮るまでの流れを紹介します。
- 適度な厚さに切って切り込みを入れる
- 手綱の形に整える
- 下茹でをする
- 乾煎りして余分な水分を飛ばす
- 煮たあとに冷まし味を染み込ませる
1.適度な厚さに切って切り込みを入れる
まず、こんにゃくを適度な厚さに切り、中央付近に縦方向の切り込みを入れます。一般的な大きさのこんにゃくなら、6〜8mm幅を目安に切って、中央に3〜3.5cm程度の切り込みを入れるとよいでしょう。
切り込みは端まで入れないことが大切です。後からこんにゃくの端を通して手綱の形にする際、こんにゃくが切れてしまわないよう、中央部分に切り込みを入れましょう。
最初にしっかりと切り込みを入れることで表面積が増え、煮汁が入りやすくなります。
2.手綱の形に整える
次に、切り込みを入れたこんにゃくの片方の端を、切り込みに差し込んでくぐらせ、手綱の形に整えましょう。ねじれた形になることで、通常のこんにゃくよりも華やかな見た目に仕上がります。
形を整えるときは、こんにゃくを無理に引っ張らないことがポイントです。切り込みに端を通す際は、こんにゃくが途中で切れないよう、やさしくくぐらせましょう。
3.下茹でをする
手綱の形にしたあとは、こんにゃくに塩をすり込んでから下茹でします。こんにゃくを熱湯に入れて、茹で上がったらざるに上げてしっかり水気を切りましょう。
塩をすり込むことで余分な水分を出し、水っぽくなるのを抑えられます。また、下茹ではこんにゃく特有のにおいを取り除きたい場合にも役立ちます。
ただし、近年のこんにゃくはにおいが気になりにくい商品も多いため、とくに気にならない場合は水洗いだけでも問題ありません。
4.乾煎りして余分な水分を飛ばす
下茹でしたこんにゃくは、煮る前に乾煎りして余分な水分を飛ばしましょう。乾煎りすることでこんにゃくの身が締まり、歯ざわりが良くなる他、煮汁の味もなじみやすくなります。
乾煎りする際は、油を使わず、こんにゃくを鍋に入れて木べらなどで混ぜながら中火で炒るのがポイントです。こんにゃくから出る水分が少なくなるまで乾煎りしたあと煮汁を加えて煮込むと、食感良く味の染みた手綱こんにゃくになります。
5.煮たあとに冷まし味を染み込ませる
こんにゃくを調味料で煮たあとは、一度火を止めてそのまま冷ましましょう。冷ますことで、煮汁の味が馴染むようになります。
こんにゃくは、内部に小さな隙間があり、加熱されると膨らみ、冷めると収縮する性質があります。そのため、加熱後に煮汁に浸したまま冷ませば、こんにゃくの内部まで味が染み込みやすくなるのです。
なお時間に余裕がある場合は、冷ましたあとに再加熱すると、よりしっかりと味が付けられます。
おせちの定番「手綱こんにゃく」を用いたおすすめ料理

ここでは、手綱こんにゃくを用いたおすすめ料理を3つ紹介します。
- 手綱こんにゃくのピリ辛煮
- 手綱こんにゃくの煮しめ
- 手綱こんにゃくの筑前煮
手綱こんにゃくのピリ辛煮
手綱こんにゃくのピリ辛煮は、醤油やみりん、砂糖などの甘辛い味付けに赤唐辛子の辛みを加えた料理です。ピリッとした辛さがアクセントで、お酒のおつまみなどにも向いています。
辛いものが苦手な場合は、赤唐辛子を少量ずつ加えながら辛さを調整するのがポイントです。また、煮詰めすぎると味が濃くなりやすいため、煮汁の減り具合を確認しながら火加減を調整しましょう。
手綱こんにゃくの煮しめ
手綱こんにゃくの煮しめは、だしや醤油、みりんなどで味付けした、おせち料理の定番です。にんじんや絹さやなどの野菜と組み合わせることで、さまざまな彩りを演出できます。
おせちらしく仕上げたい場合は、にんじんをねじり梅にするなど、野菜を飾り切りにするのもおすすめです。手綱こんにゃくと飾り切りした野菜を一緒に盛り付ければ、一段と華やかな印象となるでしょう。
煮る際は、食材によって火の通りやすさが異なるため、加熱時間に合わせて鍋に加えるタイミングを調整することが大切です。煮崩れしやすい食材はあとから加えると、形をキープしたまま調理できます。
手綱こんにゃくの筑前煮
手綱こんにゃくの筑前煮は、鶏肉やれんこん、ごぼう、にんじん、しいたけなどを組み合わせた具だくさんの料理です。鶏肉のうま味と根菜の風味が合わさっており、非常に食べ応えがあります。
筑前煮を作る際は、具材の大きさをそろえて切り、火の通り方に差が出ないようにするのがポイントです。また、煮汁が少なくなってきたら鍋を軽く揺すり、具材を崩さないよう全体に味をなじませましょう。
鶏肉や根菜なども一緒に食べられるため、こんにゃくだけでは物足りない方や、食べ応えのあるおせち料理を用意したい方におすすめです。
おせちの手綱こんにゃくを詰める段は重箱によって異なる

手綱こんにゃくを詰める段は、重箱の段数によって異なります。なぜなら、重箱の段数によって料理の振り分け方が変わるためです。
手綱こんにゃくを使った煮しめや筑前煮などは煮物に分類されるため、基本的には煮物を詰める段に入れます。
たとえば、三段重の場合は一の重に祝い肴や口取り、二の重に焼き物、三の重に煮物を詰めるのが基本です。三の重には、煮しめや筑前煮などを詰め、手綱こんにゃくの他、里芋やごぼう、れんこんなどの山の幸を組み合わせることもあります。
一方、五段重では三の重に焼き物、与の重に煮物を詰める構成が一般的なため、手綱こんにゃくも与の重に詰めることが多いでしょう。
ただし、おせちの段ごとの料理や詰め方には地域や家庭による違いがあります。三の重や与の重に煮物を詰める方法は、あくまで一般的な目安として考えるとよいでしょう。
こんにゃくは新年の願いが込められたおせちの定番料理

手綱こんにゃくは、「心を引き締める」「良縁成就」など新年の願いが込められた、おせちの定番料理です。こんにゃくを切って形を整え、下処理をして煮るだけなので、作り方を知っていれば自宅でも手軽に作れます。
ただし、おせち料理となると手綱こんにゃく以外にもさまざまな料理を用意する必要があるでしょう。実際に作る品数が多くなるほど、準備の負担も大きくなります。
おせちを一品ずつ手作りする時間が取れない場合は、市販のおせちを活用するのも選択肢の一つです。こんにゃくをはじめとした定番料理を一品ずつ用意する手間を省きたい方には、複数の料理が詰め合わせられた市販のおせちが便利です。
さまざまな種類のおせちを取り扱う「虎ノ門市場」なら、好みや人数に合わせて商品を選べます。手作りと市販のおせちを上手に組み合わせて、新年の食卓を楽しんでみてはいかがでしょうか。