うなぎと梅干しは一緒に食べても大丈夫?食べ合わせが悪いといわれる迷信を解説

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うなぎと梅干しの食べ合わせについて「腹痛や消化不良を起こす」「身体に悪いからやめておいた方がいい」などの噂を見聞きしたことがある方もいるでしょう。

結論からいうと「うなぎと梅干しを一緒に食べてはならない」といわれるのは迷信で、医学的根拠はありません。

この記事では、うなぎと梅干しはなぜ「食べ合わせが悪い」といわれているのか詳しく解説します。

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    目次

【結論】うなぎと梅干しは一緒に食べても問題ない

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梅干しとうなぎを一緒に食べても消化不良や腹痛を起こす科学的根拠はないため、食べ合わせに問題はありません。むしろ栄養成分を見ると、うなぎと梅干しは相性が良い食材だといえます。

うなぎと梅干しに含まれる主な栄養素は以下のとおりです。

栄養素

うなぎの蒲焼きの含有量

(可食部100gあたり)

梅干しの含有量

(可食部20gあたり)

ビタミンB1

0.75mg

ビタミンB2

0.74mg

ビタミンA

1500μg

1μg

ビタミンE

4.9mg

0.4mg

カルシウム

150mg

7mg

カリウム

300mg

44mg

マグネシウム

15mg

3mg

有機酸(クエン酸、リンゴ酸など)

0.9mg

DHA

6.9mg

EPA

4.0mg

参考:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

梅干しとうなぎは、栄養素を幅広く、かつ効率的に摂取する観点で相性の良い組み合わせです。

たとえばうなぎにはカルシウムが含まれていますが、ヨーグルトやほうれん草などの食品に比べると少なめです。しかし、梅干しのようにクエン酸が豊富な食品と組み合わせることで、カルシウムが効率よく吸収されることがわかっています(※1)。

また、梅干しに含まれるクエン酸は、夏バテ対策や疲労回復、新陳代謝を促進する作用などが期待できます(※2、※3)。一方、うなぎも糖質をエネルギーに変換するビタミンB1や、免疫機能を高めるビタミンAなどの栄養素が豊富なことから、夏バテによいといわれる食材です(※4)。

また、うなぎは脂質が多いですが、梅干しと一緒に食べると後味がさっぱりとするため、脂っこいものが苦手な人でも楽しめるでしょう。これらの特徴から、うなぎと梅干しは栄養素的にも味わい的にも相性の良い食材だといえます。

>>うなぎの栄養素とは?

(※1)参考:厚生労働省eJIM「カルシウム」
(※2)参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
(※3)参考:一般社団法人 茨城県メディカルセンター「梅干しの効能・効果」
(※4)参考:南多摩クリニック「摂取するビタミンの種類と効果

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なぜうなぎと梅干しは「食べ合わせが悪い」といわれたの?

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「うなぎと梅干しを一緒に食べてはならない」「食べ合わせが悪い」といった迷信には、次のような説があるといわれています。

  • 食中毒を心配した説
  • 贅沢を控える説
  • 食べ過ぎを防ぐ説
  • 栄養が減ると信じられた説
  • 「うなぎと銀杏は食べ合わせが悪い」の迷信と入れ替わった説

それぞれの歴史的な背景や理由について詳しく解説します。

食中毒を心配した説

うなぎと梅干しの食べ合わせが悪いといわれたのは、食中毒を防ぐための知恵だったと考えられています。

酸っぱい梅干しと一緒に食べることで、うなぎの傷みに気づきにくくなる可能性があるためです。これは、腐った魚が酸味を帯びやすく、食中毒を引き起こす細菌が増殖しやすいことが背景にあります。

とくに冷蔵設備のなかった江戸時代は、うなぎが腐りやすく衛生管理が難しい食材とされていました。こうした事情から、「梅干しとうなぎは一緒に食べない方がよい」との言い伝えが広まったとされています。

贅沢を控える説

「うなぎと梅干しを一緒に食べてはならない」といった迷信は、江戸時代の生活文化や食に関する知恵が背景にあると考えられています。

当時、うなぎは高級食材であり、庶民にとっては贅沢品の一つでした。日常的にうなぎを大量に食べるのは難しく、倹約や節制を慎む価値観からうなぎと梅干しの「食べ合わせが悪い」といった説が生まれたと考えられています。

食べ過ぎを防ぐ説

「うなぎと梅干しの食べ合わせが悪い」という迷信は、食べ過ぎを防ぐための生活の知恵だったとする説もあります。

こうした言い伝えの背景には、過食による体調不良を避ける目的があったと考えられます。というのも、脂質の多いうなぎは、食べ過ぎることで胃もたれや不調を招きやすいとされているためです。

食べ過ぎの一因として、梅干しの酸味がうなぎの脂っこさを和らげ、つい箸が進んでしまうことが挙げられます。実際に、梅干しに含まれるリンゴ酸やクエン酸などの酸味成分は唾液の分泌を促し、食欲を増進させる作用があるため、食べ過ぎに繋がりやすい組み合わせといえるでしょう(※)。

(※)参考:一般社団法人 茨城県メディカルセンター「梅干しの効能・効果」

栄養が減ると信じられた説

梅干しに含まれる酸味成分はうなぎの栄養を打ち消すと信じられていたことから、「一緒に食べてはならない」という言い伝えが生まれたという説もあります。

栄養学の知識がまだ十分に浸透していなかった時代には、梅干しの強い酸味がうなぎの効能に悪影響を与えると考えられていたようです。

現代の栄養学では、梅干しとうなぎを一緒に食べても栄養価に影響はないことがわかっています。

「うなぎと銀杏は食べ合わせが悪い」の迷信と入れ替わった説

「うなぎと銀杏は食べ合わせが悪い」という迷信が、梅干しに置き換わったという説もあります。その説のもととなっているのが、江戸時代の儒学者・貝原益軒が著した「養生訓」です。

養生訓は健康や食生活に関する心得を説いた実用書として広く読まれ、当時の人々の食習慣にも影響を与えたとされています。この書の中では、うなぎと銀杏の組み合わせは相性が悪いと記されています。ただし、梅干しについては触れられていません。

こうした内容が人々の間で語り継がれるうちに、より日常的に使われる食材である梅干しに対象がすり替わっていった可能性があると考えられます。

実際には、うなぎと銀杏の組み合わせが悪いという医学的根拠もなく、単なる迷信にすぎません

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うなぎとの食べ合わせに注意したい食材

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うなぎと一緒に食べる際に注意したい食材は、スイカやメロンです。これらの食材に含まれる水分は胃液を薄める特徴があり、消化酵素の働きを弱めて胃腸に負担をかける可能性があります。うなぎは脂肪分が多いことから、胃腸への負担がかかりやすいため注意しましょう。

とくに、スイカは水分含有量が90%と高いため、うなぎと一緒に食べるとお腹の調子を崩す原因につながります(※1、※2)。

(※1)出典:JAグループ「スイカ
(※2)出典:河原医療福祉専門学校「【柔道整復師科&鍼灸師科】夏野菜の季節だ!

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うなぎと相性が良いおすすめの食べ合わせ

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うなぎと相性が良いおすすめの食べ合わせは次のとおりです。

  • うなぎ×とろろ
  • うなぎ×納豆
  • うなぎ×きゅうり

うなぎと他の食品の相性について気になる方は、ぜひチェックしてみてください。

うなぎ×とろろ

山芋とろろに含まれている水溶性食物繊維「マンナン」は、胃腸の粘膜を保護する働きや、腸内環境を整える働きがあります(※1)。脂質やたんぱく質が豊富なうなぎと組み合わせると胃腸への負担を軽減できることから、相性の良い組み合わせといえるでしょう。

また、とろろには炭水化物の分解を促す酵素「アミラーゼ(ジアスターゼ)」が含まれており、うな丼や鰻重などのうなぎとご飯を組み合わせた料理に添えると、消化をサポートします。

さらに、うなぎと山芋にはエネルギー代謝をサポートするビタミンB1が含まれていることから、疲労回復効果も期待できます(※2)。

(※1)参考:独立行政法人 農畜産業振興機構「やまのいも」
(※2)参考:公益団法人 長寿科学振興財団「ビタミンB1の働きと1日の摂取量」

うなぎ×納豆

うなぎと納豆には、エネルギー代謝や疲労回復をサポートするビタミンB群が豊富に含まれています(※1)。そのため、忙しい現代人にとって相性の良い組み合わせといえるでしょう。

納豆からは手軽に植物性たんぱく質や食物繊維を摂れる点も特徴です。とくに納豆には、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維がバランスよく含まれているため、腸内環境を整える働きも期待できます(※2)。

また、刻んだうなぎの蒲焼きを納豆と混ぜて丼にしたり、手巻き寿司の具にしたりするなど、さまざまなアレンジも楽しめます。

(※1)参考:全国納豆協同組合連合会「納豆百科事典」
(※2)参考:公益団法人 長寿科学振興財団「食物繊維の働きと1日の摂取量」

うなぎ×きゅうり

うなぎときゅうりは、栄養バランスと味の両面で相性が良い組み合わせです。

たとえば、うなぎときゅうりを酢の物に仕立てた料理「うざく」はうなぎの濃厚な旨みに、きゅうりのさっぱりとした風味とシャキッとした食感が調和する、暑い季節にぴったりの一品です。うざくにうなぎの肝を加えれば、不足しがちな鉄分やビタミンAも補えます。

また、うなぎはたんぱく質やビタミンA・B群、鉄分などを多く含むスタミナ食材として知られています。一方、きゅうりに含まれるカリウムには体内の余分な水分や塩分を排出し、むくみを軽減する作用があります(※)。

うなぎの蒲焼きの副菜としてきゅうりを添えれば、塩分の摂り過ぎをサポートしてくれるでしょう。

>>うなぎの肝の美味しい食べ方

(※)参考:独立行政法人 農畜産業振興機構「きゅうり」

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うなぎと梅干しに関するよくある質問

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うなぎと梅干しに関するよくある質問に回答します。

うなぎと梅干しの美味しい食べ方は?

うなぎと梅干しの美味しい食べ方には、ひつまぶしに梅肉を添える、梅と大葉の混ぜご飯にうなぎを加えるなどの方法があります。いずれも梅干しの酸味がうなぎの脂っぽさを和らげるため、さっぱりと食べたいときにおすすめです。

ひつまぶしに大葉やみょうが、白ごま、だし汁を合わせると、さらに風味豊かに楽しめるので、好みに応じて加えてみてください。

うなぎに合う梅干しにはどのような種類がある?

うなぎに合う梅干しには次の3つがあります。

種類

特徴

紀州南高梅

粒が大きくやわらかい、種が小さい

白干梅干し

塩分濃度20%前後、酸味が強い

しそ漬け梅干し

塩分濃度13%前後、しその風味が豊か

紀州南高梅は、完熟した果肉を使用しており、上品でまろやかな酸味が特徴です。うなぎの濃厚な旨みや甘辛いタレと調和し、後味をすっきりと整えます。大粒でやわらかい果肉は、お酒に入れて楽しみながらうなぎと一緒に食べるのにも適しています。

一方、白干梅干しは塩分が約20%前後と高く、酸味も強いのが特徴です。原材料は塩と梅だけで、シンプルな味わいを好む方にぴったりです。

しそ漬け梅干しは塩分控えめで、しその香りがうなぎの旨みを引き立てます。甘さ控えめで濃厚なうなぎともバランスが良く、さっぱりと味わえます。うなぎの調理方法や味付けに合わせて梅干しを選択すると、より美味しく食べられるでしょう。

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迷信に惑わされずうなぎと梅干しを美味しく食べよう!

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「うなぎと梅干しは食べ合わせが悪い」といわれる噂や迷信の背景には、先人の知恵や思い込みがありました。栄養素について正しい知識が身についた現代の常識から照らし合わせると、うなぎと梅干しは一緒に食べても健康への影響がないことがわかっています。

むしろ、脂質が多いうなぎと酸味の強い梅干しは相性が良い組み合わせだといえるでしょう。うなぎと梅干しは季節を問わず食卓に並べられるため、蒲焼きやひつまぶし、うな丼などの料理と組み合わせてみてください。

美味しい国産うなぎを家庭で楽しみたい方には、虎ノ門市場のうなぎがおすすめです。うなぎの品質にこだわりたい方は、ぜひ注文してみてください。

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