おせちに黒豆を入れる意味は?おいしい黒豆の産地や煮方も紹介

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「おせち料理に黒豆を入れるのはどんな意味があるの?」

「おせちに黒豆を入れるようになった由来は?」

このように、おせちと黒豆の関係が気になっている方もいるのではないでしょうか。

ふっくらと艶やかに煮あがった黒豆はいかにもお正月らしいめでたさを感じさせます。

この記事では、おせちに黒豆が使われる意味や由来を解説します。黒豆の有名な産地や栄養価、おいしい煮方も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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    目次
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おせちの黒豆にはどのような意味がある?

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おせち料理に黒豆を入れるのは、豆と「まめに」を掛けて、「まめに暮らす」「まめに働く」願いや誓いを込めてお正月を祝う意味があります。

黒豆は「祝い肴三種」の一つで、おせちのもっとも基本的な定番料理です。

祝い肴は、関東では「黒豆」「かずのこ」「田作り」の三種、関西では「黒豆」「かずのこ」「たたきごぼう」の三種です。

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黒豆の他の定番のおせちの中身の意味一覧は、こちらの記事で紹介しています。

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おせちの黒豆はなぜ黒色?色の意味を解説

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おせちの黒豆の黒色には「邪気を払う」と「健康祈願」意味があります。

邪気を払う

中国から伝わった陰陽五行説では、物質の五大要素は「木・火・土・金・水」で、それを色で表すと「青・赤・黄・白・黒」になるとされています。

陰陽五行説を基礎にする風水では、水を表す黒は邪気を払う魔除けの色とされ、おせちに黒豆を使う習わしには。一年間の災厄を防ぐ願いが込められています。

健康祈願

昔の人は、元気で一生懸命働くようすを「真っ黒になって働く」といいました。

働くといえば畑仕事が真っ先にイメージされた昔は、太陽を浴びて土にまみれて働くのが健康と勤勉の象徴でした。

そんなところから、黒は健康のシンボルと考えられ、お正月に黒豆を食べることには健康祈願の意味があります。

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おせちの黒豆は歳の数だけ食べる?

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おせちの黒豆を歳の数だけ食べるというのは、全国で広く行われている風習ではありません

ただし、2007年に紀文が実施した「正月意識調査」では、石川県と島根県の主婦からおせちの黒豆を歳の数だけ食べるという回答がありました。

参照:紀文食品「2008 年紀文・お正月百科

一部の地域や家庭にこの風習があるのは、節分の豆(大豆)を歳の数だけ食べるという習わしが、なにかの理由でおせち料理にまぎれ込んだと考えられます。

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おせちの黒豆は煮方にも意味がある

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おせちの黒豆は煮方にも意味があり、関東と関西では違う煮方をします。

関東では、皮にしわが出るようにしっかりと煮て「しわが寄るまで元気に働けるように」という願いを込めます。

関西では、しわにならないようにふっくらとやわらかく煮て「いつまでも若々しく艶やかに」と願うのが習わしです。

しかし近年は、関東でもしわのない艶やかな煮あがりが好まれるようになっています。

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黒豆とおせちの結びつきの歴史と意味

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おせちに黒豆を入れることが文献で確認できるのは、江戸時代の風俗・習慣を記した「嬉遊笑覧」(1830年 天保元年)からです。

出典:日本豆類協会「丹波黒大豆の現況と食の歴史2

明治38年に刊行された「絵本江戸風俗絵図」には、正月三が日には、重詰に黒豆と田作り、数の子を詰めて食べたと記されています。

おせち料理としてではありませんが、日本の文献に黒豆が最初に登場するのは平安時代後期の「倭名類聚抄」で、黒豆は「烏豆」と表記されていました。

昔から黄大豆はみそ用の豆として使われましたが、黒豆は食用と薬用(漢方)の両方がありました。

戦国時代には戦のときの非常食にも用いられたといいます。

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おせち自体の歴史については、こちらの記事で紹介しています。

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おせちの黒豆の主な産地

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黒豆は兵庫県の丹波地方を中心にした西日本で多く栽培されています。

とくに丹波篠山の黒豆は昔から有名で、江戸時代には、丹波篠山藩三代藩主青山忠講(ただつぐ)が将軍徳川吉宗に黒豆を献上したという記録があります。

参照:JR西日本 Blue Signal「2012 vol.142 5月号

また、亨保15年(1730)の料理本『料理網目調味抄』には「黒豆は丹州笹山の名物なり」「黒豆 丹州笹山よし」と記されています。

ブランド黒豆「丹波黒」が誕生したのは昭和16年

ブランド黒豆「丹波黒」が誕生したのは、それほど古い話ではなく昭和になってからです。

兵庫県農事試験場(現:兵庫県立農林水産技術総合センター)は、丹波篠山地域で古くから栽培されていた在来種「波部黒」の品種比較試験を行い、もっとも優良なものを昭和16年に「丹波黒」と命名しました。

参照:農林水産省「丹波篠山の黒大豆栽培~ムラが支える優良種子と家族農業~

丹波篠山の「丹波黒」は世界一大きな大豆

丹波黒は、世界一の極大粒大豆として知られています。一般的な大豆は100粒で40gほどですが、丹波黒は80gを超えます。

また、丹波黒は表面にブルームと呼ばれる蝋成分を生じるのが特徴です。煮豆にしたときに皮が破れにくく、漆黒のツヤが美しいのはこのブルームのおかげです。

味に独特の芳香があり、煮豆やスイーツなどの甘い味付けに負けないたしかな旨みがあります。

参照:農林水産省「丹波篠山の黒大豆栽培~ムラが支える優良種子と家族農業~

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おせちの黒豆の栄養価

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黒豆は良質なタンパク質とポリフェノールが豊富で、栄養価の高い食品です。

食物繊維、ミネラル、ビタミンB群も豊富で、黒い皮に含まれるポリフェノールは抗酸化作用が期待されます。

黒豆は昔から健康によい食品とされており、漢方薬や薬膳料理にも使われています。漢方では腎臓の働きをよくしてむくみを取るといわれています。

参照:黒大豆の機能性研究会「黒大豆の成分と健康機能

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おせちの黒豆のおいしい煮方

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おせちの黒豆のレシピはたくさんあり、それぞれに工夫されていますが、おいしく見栄えよく煮るポイントは下記の3つです。

  1. 前日に煮汁を作って黒豆をつけておく
  2. 弱火で長時間煮る
  3. 鉄分を入れて色よく仕上げる

豆のコリッとした固さが残らないように煮ることと、黒い色があせないように煮るのが肝心です。

1.前日に煮汁を作って黒豆をつけておく

黒豆を水で戻すと、皮より中身が早く水を吸って膨張するので、皮に裂け目ができて煮ているうちに剥がれやすくなります。

皮が破れないようにするには、水ではなく、砂糖、醬油、塩など調味料をすべて入れた煮汁につけるのがコツです。それによって浸透圧が小さくなり、豆がゆっくりと膨らみます。

さらに、煮汁を煮立ててから豆を入れると、皮が伸びるスピードが速くなり、より皮が剥がれにくくなります。

煮汁が煮立ったら、火を止めて黒豆を入れ、フタをして一晩そのまま置いておきます。

重曹や焼きミョウバンを入れる場合も、黒豆をつける段階から入れておきましょう。

重曹は豆の繊維をやわらかくするため、焼きミョウバンは色よく煮るために入れます。

【煮汁の調味料】

  • 黒豆
  • 醤油
  • (重曹)
  • (焼きミョウバン)

2.弱火で長時間煮る

前日煮汁につけた黒豆を中火にかけて煮立てます。

煮汁が煮立ったら少し弱火にして、出てきたアクをすくい取ります。最初1時間ほどはアクが出てくるので、ときどき取り除きましょう。

アクが出なくなったらさらに弱火にして、5~6時間コトコト煮ます。黒豆が煮汁の表面から出そうになったら水を足して、ひたひたの状態で煮ていきましょう

煮あがったら火を止めて、冷めるまで放置します。冷める間に煮汁の味が豆の中まで染み渡ります。

3.鉄分を入れて色よく仕上げる

黒豆の煮豆を美しい漆黒に仕上げるには「鉄分」が必要です。

黒豆の黒い色は皮に含まれるアントシアニンの色ですが、アントシアニンは水に溶けるうえに加熱によっても退色します。

しかし、アントシアニンは鉄と結合することで安定し、水に溶けにくくなり、熱を加えても退色しなくなります。

煮汁に鉄分を加える方法には、以下などがあります。

  • 錆釘を入れる
  • 食品用の還元鉄を入れる
  • 鉄なべで煮る

錆釘は、コーティングされた新品ではなく、ステンレスでもない釘という意味です。

食品用の還元鉄は通販で購入できます。

錆釘や還元鉄も、最初の黒負けを煮汁につける段階で入れておきます。

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おせちの黒豆の意味を知っておいしく食べよう

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おせちで黒豆を食べるのは、一年間「まめに暮らす」つまり健康でまじめに働くという願いや心構えからうまれた習わしです。

また、黒豆の黒い色や煮方にもさまざまな意味や願いが込められています。

虎ノ門市場では、2024年のおせち料理を販売しています。産地や品質にこだわった黒豆も入っているので、ぜひご家庭で味わっていただきたいと思います。

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